癒絡堂ブログ『ちょっとためになる臨床こぼれ話』

うつと五臓の関係

新潟市万代 鍼灸治療院 癒絡堂 院長の佐藤 です。

 

東洋医学の診察で「五志」という精神状態と五臓の機能活動が関係性があるという診察法があるのです。

 

そこで今回は、うつと五臓の関係についてお話したいと思います。

五志

 

うつの症状の中に、気分の落ち込みがあります。

 

最初の頃は、集中力がなくなった、何をしても面白くない、色々なことに興味がなくなったなどが現れてきます。

 

この状態がさらに進行しますと、日常生活に支障をきたすようになってきます。

 

仕事や家事に影響が出来てきます。

 

これを整理しますと、
〇初期
    集中力がない
    やる気が起きない
    疲れがとれない
    やる気が起きない
    不安がある
    イライラする
    物事が決められない

〇中期
    物忘れが多くなる
    将来について不安になる
    フラフラする
    動悸がする
    頭が重く感じてしまう
    寝られない
    朝早く目覚めてしまう
    眠りすぎてしまう
    食欲がない
    食欲がありすぎる

〇ひどくなった場合
    人と会いたくない
    生きていく気がしない
    消えてしまいたいと思う
    ひとりぼっちだと感じる
    むなしい
    動きたくない

以上のように分類されます。

東洋医学では、感情を7つに分類して、それを五臓のどの部位に作用するのかを当てはめています。

 

7つというのは、怒・喜・思・悲(憂)・恐(驚)の7つになります。

 

五臓というのは、肝・心・脾・肺・腎の5つになります。

 

つまり、感情と五臓の関係は、
肝 - 怒
心 - 喜
脾 - 思
肺 - 悲(憂)
腎 - 恐(驚)
となります。

それぞれについて、説明したいと思います。

 

〇肝 - 怒
怒は字の通り、怒り(いかり)ですね。

怒りが度を過ぎたり、無理に我慢しすぎると肝に関係する体の機能に異常が出てきます。

生物の本能として、怒りというのはある程度必要です。生きていくためには、敵に向かっていかなければなりません。

そういう意味でも、肝というのは、行動力・決断力を主る臓になります。

肝には、イライラする、くよくよする、怒りっぽいなどが精神的な症状になります。

 

〇心 - 喜
喜は字の通り、喜(よろこ)びですね。

悲しみの度合いが強くなりますと、喜びというのが不足してしまい、落ち込んでしまいます。

落ち込みの状態が続くと心に影響をきたし、うつ病や精神疾患を引き起こしてしまいます。

一方喜びの度合いが強くなると、ハイの状態になったり、向精神薬などの副作用などの症状が出てきます。

人間の本能として、喜びは精神的な緊張を和らげる役目がありますので、精神活動に大きく関わる臓です。

 

 

〇脾 - 思
思は字の通り、思うということと、考える、悩むことも含まれます。

思い悩むことがあったり、考え込むことが多くなったりすると、脾の機能が低下して、食欲が無くなってきます。

一方、思い悩むことが不足するほど、ストレスが加わると、ストレスを解消しようとして、食欲が異常に増進することがあります。

人間の本能として、考えるということは大切な行動です。思考に大きく関わる臓です。

 

 

〇肺 - 悲(憂
悲は字の通り、悲しむということです。憂は心配や悲しみ、憂うつなどという意味です。

悲しみ・憂いの度合いが強くなりますと、ため息や息苦しさや過呼吸が出てきます。

悲しみや憂いが不足すると、喜び過ぎたり、イライラがひどくなったりと他の臓に影響を与えてしまいます。

 

〇腎 - 恐(驚)
恐は字の通り、恐(おそ)れるということです。驚は驚(おどろ)くということです。

恐怖や驚きが強くなると、腎が弱くなって、恐怖におびえ、家や部屋にこもったり、ささいな物音にも驚いてしまい、睡眠障害などの症状も現れてきます。

パニック障害が一番分かりやすい例だと思います。

 

以上が感情と五臓の関係ですが、これらはお互いにシーソーのように均等に釣り合うことによって、感情が安定しています。

例えば、肝は脾と肺、心は肺と腎、脾は腎と肝、肺は肝と心、腎は心と脾とのバランスを保っています。どちらかが強くなれば、当然それぞれの症状が現れてくるのです。

 

 

うつの治療は、感情と五臓の関係を重視して、治療方針を決定していきます。

うつというのは、東洋医学でいうと、「陽虚」が多いのです。

 

つまり、人間本来の見る、話す、聞く、考えるという働きが出来ていないのです。

 

これの対策で一番いいのは、休むことなんです。ひたすら休む

 

しかし、仕事や家事があるので、薬に頼っちゃう。

 

薬のいけない所は先ほど挙げた、見る、話す、聞く、考えるという行動を薬が代わりにやってくれるんです。特に睡眠は眠らせてくれるのです。

 

その人がしなければいけないことを代わりにやってあげるのはダメなんです。

 

本人の力、つまり自然治癒力で陽の働きを復活させなければいけません。

 

鍼灸は、手助けをするのです。五臓の崩れたバランスを整えて、本人の自然治癒力で陽の働きを活動させるんです。

 

さきほどの感情と五臓の関係から、進行具合を見ていくと、

思い悩み事や考え事が続いていくと、悲しみが増えていき、その後に引きこもってしまう。

 

で、その後に暴れてしまう。家庭内暴力のような。

 

その後、また引きこもるに戻るんです。

 

これを五臓で現すと、脾→肺→腎→肝→腎のようになります。それで落ち着くんです。

 

東洋医学というのは、感情という所にアプローチできる治療法なのです。特に経絡治療はそれに特化した技術なのです。

 

タグ:

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)